良く「実力をつけるためにはコツコツ努力をすることが大切だ。」とか「急に実力をつける方法はない。」とか言われます。
その通りでコツコツと努力することは重要だと思います。
問題は努力の中身ではないでしょうか。
特に重要なのは「実践」と考えています。
どんなにたくさん勉強しても実際に患者さんを治療していかないと実力をつけるのは難しいでしょう。
例えば水泳の理論をたくさん知っていても実際に泳いだことがない人に水泳を教わりたいでしょうか?
患者さんへの実践は慣れる事だけではありません。
実際に臨床に当たってみると教科書通りでないことがかなり多く、更に勉強する必要が出てきます。
患者さんだけでは十分に実践を積めない場合は家族・親戚・知人にドンドン治療してみて下さい。
実践するリストの中で最重要人物はご自分です。
自分の身体に治療することが最も勉強になります。
昭和の初期に活躍された鍼灸の名人澤田健先生は病気になった時に自分で治療して極意を体得されたとのことです。
そしてその弟子で昭和の時代に活躍された代田文誌先生は「自分が病気になれば色々なことが分かる。」と提唱されていました。
無理に病気になるのは本末転倒ですが、ちょっとした体調不良でも自分で治療をする習慣をつけることが大切だと思っております。